- 腰が痛いけどストレッチの仕方がわからない。
- これ以上悪化させたくないから筋肉をほぐしたい。
- ストレッチも自分に合う合わないがあるんでしょう?
こんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか?
正しいストレッチのやり方を知ることは大切です。腰痛があるのにストレッチをしないと徐々に筋肉や関節は固くなり、症状が悪化する可能性があるからです。
管理人について
わたしは14年目の理学療法士です。現在は病院のリハビリや在宅での訪問リハビリをおこないながら、各町内会の介護予防教室で指導なども行っています。地域を回ると腰痛で悩んでいる方はとても多いのでこのサイトを立ち上げました。
この記事では、腰痛全般のストレッチを一般の方でもわかりやすい表現で解説しています。
メリット
- 自分に合った体操がわかる
- 写真もあるから迷わない
- 予防や悪化防止につながる
自分の腰の状態に合ったストレッチを知ることで、少しでも症状の悪化や痛みの軽減につながれば理学療法士としてこんなに嬉しいことはありません。
ストレッチをする前に確認すること
ストレッチを始める前に、いくつか確認しておくことがあります。
それは
確認事項
- 診断名はあるか?
- 注意が必要な方
- 前屈障害か後屈障害の判断
以上は確認しておくことが大切です。
ストレッチは比較的安全な体操になりますが、症状が悪化しないためにもしっかり確認してみましょう。
病院で診断された疾患名は?
腰痛と言っても原因がはっきりわかるものとわからないものがあります。
まずは自分の腰痛の原因を知るためにも一度は整形外科を受診することオススメします。
なぜなら、診断名や原因によってストレッチの内容は変わってくるからです。
一度は整形外科を受診しよう!原因がわかれば自分にあったストレッチのヒントに。
注意が必要な方
注意が必要な方
- 高血圧症
- 不整脈などの心疾患がある方
- 術後間もない方
今回紹介するストレッチは筋トレとは違いますので比較的安全ではあります。
しかし、高血圧症のある方はストレッチの前後で血圧の変化を確認することは大切です!
しっかり確認しましょう。
不整脈や心疾患がある方も同様です。胸がドキドキしないか?脈拍を確認しましょう。
胸がドキドキするなどの症状を自覚することは大切だよ!でもわたしの患者さんでリハビリしてると自覚症状がないって方は結構多いです。そんな方はパルスオキシメーターや血圧計があると便利!
わたしが仕事で使っているものです。参考にしてください。
術後間もない方は入院している方がほとんどのハズですが、最近は手術技術の発達により早期退院の方も増えています。
術後間もない人は医師の指示に従いましょう。
前屈障害か後屈障害を見分ける
これまでの確認事項に問題がなければ自分の腰痛のタイプを見て行きましょう。
腰痛は大きく分けて、
タイプ
- 前屈障害タイプ(腰を前に曲げる)
- 後屈障害タイプ(腰を後ろにそる)
の2つがあります。実際はここまで単純ではありませんが、前後ろどちらかで痛みが強い場合が多いです。
前屈障害タイプの疾患は、
前屈で痛みが出る疾患
- 腰椎椎間板ヘルニア
- 椎間板性腰痛
- 腰椎終板炎
- ぎっくり腰
※腰椎圧迫骨折
以上の疾患は前屈で痛みが出ることが多い疾患になります。
必ずしも前屈だけで痛みが出るとは限りません。後屈でも痛みが生じる事があります。あくまでも可能性が高いということを頭に入れておいてください。
後屈障害タイプの疾患は、
後屈で痛みが出る疾患
- 腰部脊柱管狭窄症
- 腰椎分離症
- 腰椎すべり症
- 椎間関節炎
以上の疾患は腰を後ろにそらすと痛みが出現することが多い疾患になります。
前屈と後屈のどちらで痛みが出現するのか確認してみましょう。
確認方法
前屈障害タイプか、後屈障害タイプの判別方法を紹介します。
方法
- 腰を前に10回曲げる
- 腰を後ろに10回そらす
以上の動作を行うだけです。写真で見ていきましょう。
結構簡単な動作ですよね?前後どちらに曲げたとき痛みが出るのか確認しましょう!わたしも体はすごく硬いです(;_;)
曲げたり、そるときは反動をつけすぎないように慎重に行いましょう!
前屈で痛みが生じる人のストレッチ
前の項目で腰を前に曲げると痛みがでる方は前屈障害タイプの可能性が高いです。
前屈障害に対したストレッチを紹介していきます。
立った姿勢で腰反らし体操
ポイント
- 両手を壁について片足を前に出した姿勢がスタート
- 壁を押しながらゆっくり腰を反る
- 反った姿勢を10秒保つ
- 元の姿勢に戻る
※左右の足を交互に5回行う
写真ではあまり足を開いてませんが、気持ち大きめに開けるとさらに良いです!壁を押すときは肘が曲がらないように注意しましょう。痛みが強まるようでしたらすぐに中止してください!
うつ伏せ腰反らし体操
ポイント
- うつ伏せからスタート
- 両腕の肘をつき状態を起こして腰を反る
- 10秒キープしたら元の姿勢に戻る
- 5回繰り返す
※朝晩の2回行う
痛みがある時は中止しましょう!はじめは肘をついて行う方もきついはずです。だんだん慣れて痛みもなくなったら、手のひらをつくやり方も挑戦していきましょう。
うつ伏せが取れない方は、壁を使って立った状態で腰を反る運動が負担なく行えます。腰をそる時はゆっくり慎重に行きましょう!
後屈で痛みが生じる人のストレッチ
腰を後ろにそらすと痛みがでる方は後屈障害タイプの可能性が高いです。
後屈障害に対したストレッチを紹介していきます。
主に行ってほしいストレッチは、
- 両膝抱え丸まる体操
- 片膝抱え体操
- 土下座風腰伸ばし体操
以上の3つです。
写真で見ていきましょう。
①両膝抱え丸まる体操
ポイント
- 寝ている状態からスタート
- ゆっくり両膝を抱えて10秒キープ
- 終わったら足を伸ばして元の姿勢に戻る
- 10回繰り返す
両膝を抱えて腰を丸めます。枕があると首が疲れないので良いですね!膝に痛みがあったり、この姿勢が辛い人は無理しないでくださいね!
②片膝抱え体操
ポイント
- 寝ている状態からスタート
- 片足を抱えて10秒キープ
- 逆の足も10秒行う
- 各10回ずつ行う
今度は片膝ずつ抱える体操です。片方10秒ずつ行いましょう!痛みが出ない範囲で動かすことが大切ですよ!
③土下座腰伸ばし体操
ポイント
- 正座からスタート
- 両手を前につき腰を丸める
- そのまま10秒キープ
- 正座に戻る
- 10回繰り返す
両手を前につき腰を丸めます。正座が大変な方は太ももとふくらはぎの間にクッションを挟んでもOK!
以上、3つのストレッチは腰をそらしたときに痛みが出る方に大切なストレッチになります。
痛みが強かったり、膝や肩など他の関節に痛みがある方は3つのうちできる体操だけでも続けてみましょう!
腰痛全般のストレッチ
今まで前屈障害と後屈障害についてストレッチを紹介してきました。
ここでは前屈障害・後屈障害に限らず腰痛全般に大切なストレッチを紹介してきます。
柔らかさを保ちたい部分とは、
- 胸郭(きょうかく)の柔らかさ
- 太ももの裏と表の柔らかさ
- ふくらはぎの柔らかさ
以上の3つは、予防や症状を悪化させないためにも重要になります。
ココでは腰痛全般に大切なストレッチを紹介していきます。
太もも裏を伸ばす体操:痛みが強い方
ポイント
- 仰向けになり膝と股関節を直角にする
- ゆっくり膝を伸ばせるだけ伸ばす
- 太ももの裏が伸びているのを感じながら5秒キープ
- 膝をもとに位置に戻す
※左右5回ずつ朝晩行う
両手で太ももを支えてください。この方法でも痛みが出る時は中止してください。
太もも裏を伸ばす体操:腰の痛みが軽くなったら
ポイント
- 足首をつかんでしゃがむ
- 胸と太ももをなるべくくっつけ、踵は浮かせない
- ゆっくり膝を伸ばしていく
- そのまま10秒キープ
- 元の姿勢に戻り、5回繰り返す
太ももの裏が伸びていることを感じましょう!5回を1セットとし、朝晩に行えればバッチリ!
太もも表を伸ばす体操:うつぶせ
ポイント
- うつ伏せになり、手はあごの下
- 片方の膝を曲げ、かかとをお尻に近づける
- 片方50回繰り返す
※かかとはお尻につかなくてもOK
※勢いをつけると膝を痛める可能性があるので、痛みの出ない速さで曲げましょう。ココは個人差があるので伸びていることを感じるのが大事です!
太もも表を伸ばす体操:膝立ち
ポイント
- 片方の足を前に出す
- 両足とも膝と股関節は直角にしてスタート
- 少しずつ前足に体重を乗せる
- 後ろ足の太もも前面が伸びたら5秒キープ
- 開始姿勢に戻る
※左右5回ずつを1セットとし朝晩行う
膝をつくと痛い場合はタオルなどを敷いてもOK!片方30秒程度終わるから楽ちん!バランスが取りづらときは何かに掴まっても良いです。
ふくらはぎ伸ばし
ポイント
- 片足を前に出す
- 体重を前足に乗せていく
- 後ろ足のふくらはぎをのばし10秒保つ
※左右5回ずつ行う
ふくらはぎを伸ばすのは壁なくても行えます。空いてる時間を利用して少しずつ行ってみましょう!
胸郭を柔らかくする体操:キャットバック
ポイント
- 四つん這いになる
- 息を吸いながら背中を反る
- 息を吐きながら背中を丸めていく
※5回繰り返す
背骨を柔軟にする体操です。痛みが出ない人は挑戦してみましょう!
腰痛のストレッチ:まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は腰痛の方のストレッチについて解説しました。
普段、介護予防教室で腰痛に悩まされている方はとても多いです。
各集会所で体操指導や体力測定を行いながら皆さんの悩みを解決するには時間が足りません。
ですの今回の記事を参考に自宅で取り組んでいただけたら嬉しいです。
簡単におさらいしますと、ストレッチや運動に取り組む前には高血圧や不整脈ある方は医師に相談して取り組む事が大事です。
そして腰痛には
ポイント
- 前屈障害タイプ
- 後屈障害タイプ
大きく分けると2つのタイプがあります。まずは自分がどちらのタイプに当てはまるのか確認しましょう!
タイプが分かりましたら、自分に合った体操を画像を見ながら実施してみましょう。
一度にすべての体操をすることは大変ですし、三日坊主になってしまいます。
まずは1つでもいいので毎日続けることが大切です。歯を磨くのと同じように習慣にしてしまいましょう。
なれてきたら徐々に体操の種類を増やして、体の柔らかさを保つようにしていきましょう。
ストレッチはお金の掛からないお薬みたいなものです。ぜひ参考していただけたらと思います。
良さそうなストレッチがあったら、また追加していきたいと考えています。
今回はこのへんで失礼します。
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追伸
腰痛を治したり、悪化を防止するためには自分で勉強することも大切です。
現在は一般の方向けにわかりやすく解説されている本もたくさん出版されています。
わたしがわかりやすいと思った本はこちら
以上は読んでも損はありません。
腰痛はいろんな原因が合わさっていることがほとんどです。ぜひ気になった本があれば手にとってみてください。